タカ・イシイギャラリー京都は、ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、リサ・ラピンスキーの国内初個展を開催いたします。2001年にArt Center College of Art and DesignのMFA プログラムを修了したラピンスキーの作品は、これまでWhitney Museum of American Art (ニューヨーク、2006年)、Midway Contemporary Art (ミネアポリス、2009年)において展示され、ロサンゼルス現代美術館(2008年)では個展が開催されています。日本国内においては、タカ・イシイギャラリー(東京、2005年)、大和プレスビューイングルーム(広島、2006年)でのグループ展に参加しています。
ラピンスキーは様々なメディウムを用いて作品を制作しますが、なによりもまず彼女は現代彫刻家であると言えるでしょう。アート、デザイン、哲学、そしてありふれた日常の視覚文化の領域から得た、広範囲にわたる様々な参照を交えた、彫刻的な対話であるラピンスキーの作品は、濃密でありながらも、その物理的な薄さによって短絡化されたさりげない佇まいといった、彼女独特のユーモアのセンスによって、平衡を失っています。2006年にWhitney Biennialで展示された「Nightstand」がその代表作品といえるでしょう。2005年にタカ・イシイギャラリーにて厚紙製の模型が展示された、巨大な存在感を放つ(285 x 610 x 442cm) その彫刻作品は、二つの宗教的信念の現れを分解された状態で結合した作品です。手作業(この作品制作のため、ラピンスキーは家具製作の学校で必要な技術を学び直しています。)で組み立てられた惨事を思い起こさせる整理箪笥。これはシェーカー教徒(1747年から活動する宗教団体)文化の二つの様相を考察した作品です。つまり、その簡素さと機能美でよく知られた家具のデザインと、あまり知られていない宗教的恍惚状態の間に描かれた神秘的なドローイングに関するものです。
今回の京都でのラピンスキーの展覧会は、彼女の多様な興味から引き出された、彫刻、ペインティング、コラージュ作品を含む様々なメディアを用いた作品で構成されます。ラピンスキーの作品に関して、キュレーター、ベネット・シンプソンはこのように述べています。「ある程度、彼女のオブジェとイメージはそのメディウム(クラフト、素材、空間とスケールについての思慮) の伝統的な範疇のなかで知覚されるかもしれないが、詳しく観察するとすぐにそれらが形式主義の枠内で理解するには不十分であることがわかる。非正統的なのだ。 (中略) 彼女の作品は詩的で想像力に溢れた舞台を我々に提示する。そこでの論理は、一見すると外部の影響を一切受けないように見えるのだ。仮に鑑賞者が作品の中に歴史や慣習との関係を掴んだとしてもだ。」
タカ・イシイギャラリー京都の二つの展示スペースを用いて開催される、ラピンスキー作品の多種多様な形態と可能性に出会う機会となる今個展にどうぞご期待ください。
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