1955年に開館した愛知県文化会館美術館は、日本の近代美術を主とした作品の収集を積み重ね、1992年に愛知県美術館として新たに開館するにあたっては、20世紀国内外の美術の流れをたどることができる美術館を目指しました。そして現在、コレクションは21世紀の先端を歩む作品に及ぶとともに、古美術からプリミティヴ・アートまでを含む3000点余りの木村定三コレクションによって、数と範囲を大きく広げています。総数約7600点のコレクションの中から選りすぐりの名品を、全展示室を用いてご覧いただきます。
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー《グラスのある静物》1912年
▼展覧会の見どころ▼
①現在の愛知県美術館コレクションの精華を紹介
1955年に開館して以来現在まで、55年間にわたり、愛知県美術館では様々な作品をコレクションしてきました。その間には、2001年から05年にかけて、名古屋の著名な美術品収集家木村定三氏とそのご遺族から寄贈された、3000点を超えるコレクションが加わりました。また「あいちトリエンナーレ」という国際的な現代美術の祭典の開催を視野に、21世紀の先端を歩む作品の収集にも力を入れてきました。現在もなお進化し続ける当館のコレクションの精華を、選りすぐりの約300点によってご紹介します。
②木村定三コレクション調査・研究の最新の成果
木村定三コレクションは愛知県美術館のコレクションの重要な核の一つです。受贈以来所蔵作品展においては、木村定三コレクション室(展示室8)という固定の展示室を設け、毎回異なるテーマを設定して作品を展示してきました。またこのコレクションを紹介する特別展も度々開催しました。こうした展示や展覧会は、様々な調査研究や修復に支えられて実現します。今回の展示には、一番最近の「木村定三コレクション名作展」(2008年)以降も続けられてきた、調査研究や修復の現時点での成果が反映されます。
③10階フロア全展示室を用いた展覧会
今回の展示は、美術館フロア(芸術文化センター10階)にある8室の展示室全てを用いて展開します。こうした試みは、2005年の所蔵作品展「愛知県美術館開館50周年記念展 コレクションでたどる美術館50年の歩み」以来5年ぶりのことで、広い空間のなかでゆっくりとコレクションを鑑賞していただくことができます。
ジョルジュ・ミンヌ《聖遺物箱を担ぐ少年》1897年
▼関連事業▼
「学芸員おすすめの一点」(展示作品説明会)
展示される主要な作品のなかから、当館美術館学芸員がお勧めの一点を解説します。
金19:00~19:30 土日11:00~11:30
聴講無料 ただし観覧券が必要です。美術館ロビーにお集まりください。
11月27日(土) 横山大観《飛泉》 村田眞宏
11月28日(日) アンドリュー・ワイエス《氷塊》 高橋秀治
12月4日(土) ジョージ・シーガル《ロバート&エセル・スカルの肖像》 大島徹也
12月5日(日) 舟越桂《肩で眠る月》 中村史子
12月11日(土) アンリ・マティス《待つ》 鯨井秀伸
12月12日(日) 竹内栖鳳《狐狸図》 長屋菜津子
12月18日(土) 高橋由一《不忍池》 深山孝彰
12月19日(日) ポール・デルヴォー《こだま》 藤島美菜
1月7日(金) フランク・ステラ《リヴァー・オブ・ポンズ》 塩津青夏
1月8日(土) グスタフ・クリムト《黄金の騎士(人生は戦いなり)》 古田浩俊
1月9日(日) 浦上玉堂《秋色半分図》(木村定三コレクション) 馬渕美帆
1月14日(金) ジョアン・ミロ《絵画》 副田一穂
1月22日(土) オスカー・ココシュカ《夢みる少年たち》 森美樹
アメデオ・モディリアーニ《カリアティード》1911-13年
〒461-8525 愛知県名古屋市東区東桜1-13-2
TEL:052-971-5511(代)