本プロジェクトは、音楽家 大友良英が2008年に始め大きな話題を呼んだ協働プロジェクト『アンサンブルズ』を市民参画型に展開し、水戸芸術館における展覧会を核に街なかへと拡がる、大小さまざまな複数の音にまつわるプロジェクトです。
2010年水戸における『アンサンブルズ』のテーマは「共振」。参加するのは音楽家、建築家、美術家、技術者、地域住民と幅広く、さまざまな人びとの個々のアイデアやエネルギーが「共振」し、水戸の街なかにうねりをつくりだすことをイメージして行います。
関わる人びとそれぞれの個性が、触発しあって従来の音楽の枠には収まらないアンサンブルをうみだし、展示やパレード、特殊コンサート、ワークショップ、ラジオ番組、ネット配信などさまざまなカタチとなって現われます。
大友が自身の音楽性を追究するなかでうまれた『アンサンブルズ』が、美術や音楽といったジャンルの違い、専門家やアマチュアといったキャリアの違いを飛び越えた協働を通し、「人」のなかに、そして「人と人」の間にうみだすさまざまなカタチの「共振」をぜひご覧ください。
*参考作品
「大友良英ENSEMBLES」山口情報芸術センターでの展示風景(2008)
写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]
撮影:丸尾隆一(YCAM)
『アンサンブルズ2010―共振』
今年で3年目になる、そして水戸では初開催となるアンサンブルズ展。
今回の大きなテーマは、「共振」です。 様々な分野の、様々な立場の人たちが、アマチュアや専門家、音楽家や美術家、技術者といったへだてなく、「音」あるいは「音楽」を通じてともに作業する。そんななかで生まれる多数の作品や現象が、水戸芸術館を基点に街へ出て絡み合い、大きなうねり=「共振」を生み出す、そんなイメージが『アンサンブルズ2010―共振』の要になっています。
展覧会だけではありません。
街なかでのパレードや、特殊コンサート、ラジオ番組、ワークショップ、ネット配信など、経験や興味の異なる様々な人々が関わり合ってつくるプロジェクト全体が「アンサンブルズ」です。
音楽や美術として楽しんでくれてもかまいませんし、従来の枠にとらわれずに自由に観たり、聴いたりしてくださってもかまいません。見方も、聴き方も、作り方もみんなで、自分たちで考える。そして試してみる。
重要なのは、みんなが自分にあった、様々な形や方法を通して絡み合うプロセスです。そして、その関わり合いのプロセスが作品に反映されることです。
企画する人、演奏する人、作る人、手伝う人、観る人、聴く人、踊る人、様々な人々の「共振」が「アンサンブルズ」をより豊かなものにしてくれる・・・そんな数ヶ月間にしたいと思っています。みなさんの参加をお待ちしています。
大友良英
*参考作品
「大友良英ENSEMBLES」山口情報芸術センターでの展示風景(2008)
写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]
撮影:丸尾隆一(YCAM)
〒310-0063 茨城県水戸市五軒町1-6-8
TEL:029-227-8111