平成の漆絵師 伝統工芸&現代アート
10月29日(金)から11月20日(土)まで、ラディウム-レントゲンヴェルケ(日本橋馬喰町)にて、岩田俊彦の本格的な個展を開催致します。 岩田俊彦は、東京芸術大学で漆芸を学んだ後、漆芸家として鎌倉を拠点に制作活動を行っています。工芸の世界では通 例になっている師匠に弟子入りをせず、かえってそれが岩田ならではの独特な漆表現となり、その美意識は国内外を問わず高い評価を得ています。主な活動として、2008年個展(銀座・なびす画廊)、モンブラン・ヤングアーティスト・パトロネージ参加、開催中の「会津・漆の芸術祭」、喜多方市美術館で10月23日より始まる「漆 その新しい表現を巡って」展に参加するなど精力的に活動をしています。
岩田は伝統工芸である漆の技法はそのままに、絵画のように平面的な漆絵を制作しています。9,000年前の縄文時代から用いられている漆。岩田は古典柄、動植物、骸骨などの伝統的なモチーフを、時には蒔絵や螺鈿という伝統的な加飾技法を用いながら、シンプルな色彩 と構図でポップで現代的なアイコンに転化させています。その異質なものの組み合わせは伝統と現代のコントラストとなり、バランスが際立ち印象的です。モチーフの配置力、余白の美、対象を絞り込んで徹底的に不要なものを排除する構成力など類稀なる感性により、現代に生きるリアリティを反映し、今までにない漆表現として伝統工芸を現代アートに転化しています。
岩田作品を通して若い世代の方々が漆に興味を抱き、日本伝統文化の未来への継承になることを期待しています。
岩田俊彦の作品を本展で、ぜひご高覧下さい。
〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
TEL: 03-3662-2666