人為的な変化・時間による変化を一定の距離から受け止め、ある瞬間の再現ではなく風景を再構築して作品を描く中岡真珠美の新作個展を開催致します。本展はギャラリースペースをリニューアルしての記念すべき第一回目の展覧会となります。
出品作には、中岡がこれまでに描いてきた匿名性のある自然風景や、金沢・広島など特定のまちの風景ではなく、法枠(のりわく)や採石場など人工物が多く現れています。時が経つにつれ、採石場の砂利山は日々輪郭線が変わり、土砂崩れをとめるコンクリートの法枠は夏になれば雑草に覆われます。その物を「見た」り「知っている」という理解としての風景と実際に観察を重ねた中で見る風景とは全く異なるものです。描かれている対象自体の時間軸上のズレと、対象と描き手の主観の二重のズレがこれら新作群の大きな特徴であるといえますが、その二重のズレを前提に制作する場合、平面上の構成力はむろん今まで以上に必要でしょう。
本展において、作家の構成力やそれを支えるために新たに使い始めた素材などに注目して頂ければ幸いです。
皆様のご来場をお待ちしております。
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