流麻二果は1975年生まれ、女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻卒業。若手作家の登竜門である「VOCA 2000」への出品を皮切りに、「文化庁新進芸術家在外研修員(NY滞在)、2004年ポーラ美術振興財団在外研修員(NY・トルコ滞在)などを経て、 2006年「VOCA 2006」、「POLA新鋭展」、2008年「損保ジャパン美術財団選抜奨励展」などの出展作家に選ばれるなど、着実に躍進を続けている気鋭の作家です。 2010年12月には、新国立美術館で開催される「DOMANI・明日展2010」*に出展する予定です。現在、油彩作品の発表をベースに、他ジャンルの人たちとのコラボレーション制作やワークショップを行うなど多方面に活躍しています。
*文化庁の在外研修制度(新進芸術家海外研修制度)により、海外派遣された若手芸術家の成果発表の場として1998年より毎年開催されているグループ展。
作品について
近年は、他者との関わりを独自の表現で描くことで人の面影や温もりを感じさせる、人物にも風景にも見える抽象画を中心に発表しています。作品には「人に対する興味」という一貫したテーマがあります。しかし特にモデルがいるわけではなく、日々断片的に見かけたものを、個人的に咀嚼して描いていきます。 YUKA CONTEMPORARYでの初個展となる本展では、既存のテーマに「川面が煌めき木々がそよぐ新しいギャラリー」というインスピレーションに加えた新作の油彩画を13点ほど展示する予定です。油絵の具の鮮やかな色彩の重なりとリズミカルなストロークで表現された画面に、朧げに描かれた人体の輪郭、絶妙に名付けられた作品タイトル。これらが相まって「人の存在」を感じさせる糸口となり、観者のイマジネーションが大いにかき立てられることでしょう。是非御期待ください。
作家ステイトメント
知り合う事のない他人がどんな生活を送っているのか。
その興味を作品にする事で推考を重ねてきた。
街で、メディア上で、私の目を捕えた、見ず知らずの人は、
私の想像と推察によってキャンバス上で姿を変えていく。
私の中に残されたその人の余韻は、
時に、芽吹きを待つ胞子が浮かぶようなキラキラとした景色となる。
やっぱり人と分かり合うのは容易くない。
だからこそ心躍る。
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