数百年、時には千年以上もの間、大切に守り伝えられてきた、「袈裟」。
なぜ袈裟は残されてきたのでしょうか。
最澄・空海といった、ひとつの宗派を打ち立てた高僧の遺品としての袈裟。
鎌倉時代に日本にもたらされた禅宗においては、師から弟子へ、正しく教えを伝えた証として授けられ、「伝法衣」と呼ばれた袈裟。
禅宗寺院では、これを受け継ぐものこそが正統な後継者である、という強い自覚を生み出し、第一の宝物として守られてきました。
この展覧会は、高僧の名とともに伝えられ、秘蔵されてきた袈裟を一堂に展観する初の試みです。
九条袈裟 夢窓疎石料 天龍寺蔵(新発見)
古代・中世の衣服が、完全な形で、しかもこれほどの数伝えられることは、日本以外には世界的に例がありません。
伝えたいという想い、こころそのものが、数百年、あるいは千年の時を超えて、わたしたちの前に袈裟をもたらしたのです。
この奇跡とも思える空間に、ぜひお運びください。
国宝 無準師範像 東福寺蔵(10/9~31展示)
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