本展では、中国文明の核心をとらえることができるように、中国・河南省の出土品や美術品に着目しました。河南省は、幻の初期王朝といわれた夏王朝をはじめとして、商、東周、後漢、三国魏、西晋、北魏、北宋といった主要な王朝が都をおいた地域であり、隋や唐もこの地を重要拠点としました。展示品は河南省文物局の全面協力のもと、東京・奈良・九州の三つの国立博物館の共同調査によって厳選。中国文明を雄弁に物語る優品が集います。
玉覆面(ぎょくふくめん)
三門峡(さんもんきょう)市虢国(かくこく)墓地2001号墓出土
西周時代 前9~前8世紀・河南博物院蔵
中国文明の特質は、王朝がかわっても文化が失われることなく、次の王朝へ受け継がれ、さらに発展を遂げて、新たな文化を生み出していく点にあります。中国文明は常に誕生と成長を繰り返しているのです。
そこで本展では、「王朝」「技」「美」という三部構成によって、中国文明の真の姿に迫ります。このかつてない視点と構成によって、青銅器や玉器といった中国文明の代名詞ともいえる作品群がもつ歴史的、文化的な意義を再構築します。観覧者を新たな切り口から多彩な中国文明へといざないます。
鎮墓獣(ちんぼじゅう)
安陽市豫北紗廠張盛(よほくしゃしょうちょうせい)墓出土
隋時代 開皇15年(595)・河南博物院蔵
青銅器、玉器、陶磁器、金製品、絵画、文字...。合計約140件からなる様々なジャンルの展示作品がおりなす極上の中国文明フルコースをご堪能いただけます。
王尚恭墓誌(おうしょうきょうぼし)
孟津(もうしん)県北陳村(ほくちんそん)出土、司馬光(しばこう)(1019~1086)書
北宋時代 元豊七年(1084)・河南博物院蔵
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