絵画、ドローイング、立体作品と多彩な表現方法で精力的に作品を発表している小池一馬と、インスタレーション、絵画、絵本、パフォーマンス等で独自の世界観を提案し続ける牡丹靖佳はお互いに影響を与えつつ、本展でコボレーション展として空間を構築します。詩的な情景が広がる牡丹の絵画作品と、巨大な人間の頭部という小池の彫刻作品は視覚的、物理的な影響はもちろん、意識や精神までが影響し合い、一つの物語を紡ぐように展開します。
この機会にどうぞご高覧くださいますようお願い申し上げます。
<ピカソとマティスの話>
ある時、新聞記者がピカソに尋ねた。
「あなたはマティスの影響を受けていますね」
するとピカソは怒ってこう言った。
「私がマティスの影響を受けているのではない。
私の作品がマティスの作品に影響しているのだ」
そして牡丹は空想にとらわれた。
ある空間に絵画と彫刻が同居している。
鑑賞者にとって、絵画を観るとき、そばに彫刻があり
彫刻を観るとき、その向こうに絵画が見える。
つまり絵画は彫刻に影響を受け、
また彫刻は絵画に影響するのだ。
ただそこにあるだけで響きあう作品が
制作の時点から共鳴させたらどうなるのであろう。
そこで牡丹は小池の彫刻を元に絵画を描きはじめた。
小池はその絵を見て、彫刻を広げていった。
影響の連鎖が、まだ見ぬ1つの空間を作り出すことを願って。
※[Veronica]闘牛用語で、両手でケープをささげ持ち牛の突進を待つ基本ポーズ。
東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビル B1F
TEL:03-3797-1507
http://hpgrpgallery.com/tokyo/