1919年、ドイツ、ヴァイマールに誕生したバウハウス。これは、「すべての造形活動の最終目的は建築である」という理念のもと、職人的な技術力も備えた芸術家を育てることを目的とした教育機関です。その名はモダンデザインの先駆者として現在まで広く知られることになりました。フェミニズムが社会的潮流となっていた近代ヨーロッパにおいて、特に1920年代以降、家庭生活の現場での女性の労働を少しでも改善しようとする道具、家具、機器、デザインが次々と開発され、現在にまで繋がる合理的生活スタイルの原型が提案されました。そういった動きの中で、バウハウスも女性を家事労働から解放するための、機能的な空間としての新たなキッチンとその周辺器具も提案していました。
本展は、そのようなバウハウスのキッチン関連の作品をポットからティーストレイナーなど計200点を紹介し、無駄をそぎ落とした新しいデザイン、新しい女性像、新しい生活様式の歴史的意義を問い直そうとするものです。「キッチン」という身近なテーマにスポットライトを当てた今回の展覧会では、女性をはじめとした幅広い層の方々に、バウハウスの理念や理想に親しんでいただく絶好の機会となるでしょう。また会場内には、グロピウスの設計による教授陣邸宅の一つであるオスカー・シュレンマー邸のキッチンを、1/1サイズで再現します。このキッチンは、パナソニック電工デザイン部のデザイナーが現地で実測し、躯体および躯体に関わる設備を担当、付属の機器をデッサウ・バウハウス財団が担当して、両者のコラボレーション作品として再現されます。
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