アメリカの国民的画家、アンドリュー・ワイエス(1917-2009)は、生まれ故郷のペンシルヴェニア州チャッズフォードとメイン州クッシングの地で、アメリカの原風景とそこで暮らす身近な人々を描き続け、心に深く響く作品を残しました。とくに《クリスティーナの世界》は、アメリカ美術を代表する傑作として知られています。モデルとなったクリスティーナ・オルソンと弟のアルヴァロが住むオルソンの家は、ワイエスにとってもっとも重要なモチーフとしておよそ30年にわたって描き続けられました。これらの作品は、「オルソン・シリーズ」としてワイエスの画業の中でもとくに重要な位置を占めています。
埼玉県朝霞市にある「丸沼芸術の森」が所蔵する「オルソン・シリーズ」の水彩・素描は、その重要性が世界的に評価されています。本展は、ワイエスの創造の軌跡をとどめる水彩と素描を中心とする「丸沼芸術の森」のワイエス・コレクションの全貌を紹介する、最初で最後の機会となります。
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