東松照明(とうまつしょうめい:1930-)は、いち早く2002 年にデジタル出力の作品を発表しています。現在も日々試行錯誤をしながら、より質の高いプリントを目指して自身のスタジオでの制作を続けています。これまでは、A3 伸び程度の大きさにまでしか出力されてきませんでしたが、このたび、プリンターの技術的な進歩により、質の高いプリントが可能であるとの確信を得、満を持して大判(幅42 インチ/約106cm)に取り組むことを決意しました。本展覧会は、まず東松のデジタル写真への取り組み、そして、そのクオリティーの高さを広く紹介しようとするものです。
ニュー・ワールド・マップ 1992~93年 千葉・房総半島
©Shomei Tomatsu
また、2004 年から2007 年にかけてサンフランシスコ近代美術館をはじめとしアメリカ、ヨーロッパを巡回した回顧展「Skin of the Nation(国民の皮膚)」、2009 年秋に開催された「東松照明展―色相と肌触り 長崎―」などにみられるように、東松は、デジタル出力という技術を得て以降、ますますテクスチャー(質感、肌触り)の表現に力点を置くようになりました。そうしたテクスチャーが約85cm四方の大きさに表現されることとなります。まさに圧巻の展示となるでしょう。
シューシャンボーイの視線 1951年 名古屋
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