アール・ヌーヴォーの旗手としてフランスで活躍したエミール・ガレ。アール・ヌーヴォーは植物的な曲線による装飾が特徴で、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパ諸国の絵画、彫刻、デザイン、建築、工芸といった幅広い分野で流行した芸術様式です。その中で美術史上、ガラス工芸家として極めて高名で、日本でも人気の高いガレですが、陶芸にも関心を示し多くの陶芸作品を残していることは意外と知られていません。文学、哲学、植物学、鉱物学に精通していた彼は、その叡智を創造に昇華させ、また、日本美術への高い関心から、作風は日本的、東洋的な影響を強く受けており、その世界観は私たちに強い共感を呼び起こすものとなっています。本展覧会では、特に日本的な影響を見ることが出来る作品に焦点を当て、世界的に見ても貴重なガレ陶芸作品コレクションを持つ松江北堀美術館の所蔵品より、陶器を中心に約50点の作品を紹介します。
シャポーシノワ型卓上ランプ(梅文)
1900-1931年頃
エミール・ガレ
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