不思議な魅力で観るものを惹きつけてやまない異色の画家アンリ・ルソー(Henri Rousseau 1844-1910)の作品は、ポーラ美術館のコレクションのなかで特別な位置を占め、充実した内容を誇ります。
2010年9月より画家の歿後100年を記念して、ポーラ美術館が所蔵するルソー作品と、国内で所蔵されている選りすぐりの作品を合わせ、計16点を展観し、ルソーが描き出したパリとその近郊にみる近代的風景、熱帯のジャングルをモティーフにした夢幻の世界を探求します。
また、ルソーの才能をいち早く評価し、老画家を敬愛したピカソをはじめとするモンマルトルの前衛画家たち、ルソーの系譜をひく素朴派の画家ボーシャン、ボテロ、そしてルソーを「偉大な世紀の芸術家」と讃えた日本の洋画家の岡鹿之助を紹介します。
アンリ・ルソー
《ライオンのいるジャングル》
1904年
油彩/カンヴァス
37.7×45.9cm
ポーラ美術館
本展覧会では、第1章「ルソーのパリ 世紀末都市のパノラマ」、第2章「ゴーガンとルソー 熱帯への憧憬」、第3章「ルソーの夜会とモンマルトルの画家たち」、第4章「ボーシャンとボテロ 絵画における素朴」、第5章「岡鹿之助 日本とルソー」の5つのセクションから構成されます。
また世田谷美術館所蔵のルソー作《フリュマンス・ビッシュの肖像》など国内の所蔵作品を含め、43点の油彩画と、水彩画・鉛筆画など約6点の合計約50点のルソーとその芸術に触発された画家たちの作品を一堂に展覧します。
いまだ知られざる20世紀絵画の先駆者ルソーの多彩な魅力に迫るまたとない機会といえるでしょう。
ポール・ゴーガン
《異国のエヴァ》
1890/1894年
水彩/紙
42.8×25.1cm(画面)
ポーラ美術館
〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
TEL:0460-84-2111