北海道出身の百瀬寿(1944年生まれ)は、岩手県盛岡市を拠点に、40年にわたって色彩のグラデーション(階調)をテーマとした作品を制作しています。
70年代から80年代前半にかけては、シルクスクリーン(セリグラフ)やスキャナグラフ(ネコ・プリント)などにより、色彩のぼかしだけで構成される版画作品を制作。80年代後半からは、彩色を施した手漉紙や金銀プラチナの箔を画布に貼り並べる平面作品を並行して手がけるようになります。「版のない版画」「描かれざる絵画」と評されたこれら独自の造形は、国内外で高い評価を受けてきました。
《NE. Alternate Double,Gold to Platinum》2003年 個人蔵
近年では、蛍光塗料を塗った複数の網を重ねるインスタレーションを発表するなど、新たな色彩とグラデーションの可能性への追求は、さらなる進化を続けています。
本展は、グラデーション表現の追求が始まる70年代以降の代表的な大型作品を中心に、初期から最新作に至るまでの約110点を展示して、その比類のない豊かな色彩表現の展開を辿ります。
▼常設展▼
「グラデーション以前―百瀬寿の1960年代」
企画展開催にあわせ、常設展第2期後期展示(2010年9月7日[火]~10月17日[日])と第3期前期展示(10月23日[土]~11月28日[日])において、百瀬寿の初期の版画と油彩画を特別展示します。
※企画展観覧券で常設展もご覧になれます
《Dec. 1967》1967年 個人蔵
〒020-0866 岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
TEL:019-658-1711