目を奪われるような繊細さと洗練。色、フォルム、そしてテクスチャーの比類のないバランス。青木良太はエレガントさそして大胆さを兼ね備えた、独創的な陶芸表現を発表しています。それを支えているのはストイックなまでの研究と試行錯誤。特に「同世代の誰にも負けないほどしてきた」という釉薬の研究は、その質感をだすのに2年間かかったという、白の食器シリーズなどを生み出してきました。このシリーズは、通常なら素焼きの後にかける釉薬を磁土に混ぜ込んで制作。マットでクリーミーな風合い、まるで赤ちゃんの肌のような質感は一度手にとると忘れられません。
2009年のTKG代官山の個展では、密教法具に着想を得たという、手びねりの神秘的なオブジェを展示。その他にも「LUXURY」シリーズや茶碗など、次々と新しい作品を発表しています。「今までの陶芸じゃないものを見たい」「見る人をびっくりさせたい、そして自分もびっくりしたい」と話す彼は、その旺盛な好奇心と実験精神で、伝統と現代の融合を試みます。それでいて形に迷いの一切感じられない青木の作品は、彼がぶれることのない審美眼をもっていることを物語っています。器とそれを日常生活で使うという行為が一体となって現代まで伝わっている、器の文化というものの美しさ。それを青木の作品は実感させてくれます。
小山登美夫ギャラリー京都で開催の展示では、「王様」がキーワードとなる、金色の釉薬を使用した作品を展示いたします。一方、同ビル1FのTKGエディションズ京都では、普段使いの白や銀の食器シリーズなど約150点を展示。また、同じ京都市内のeN arts (http://www.en-arts.com/)でも、個展を同時開催いたします。青木良太の様々なシリーズの作品が一挙に楽しめる、またとない機会です。是非ご高覧ください。
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