福居伸宏は、2004年から真夜中の都市の風景をモチーフに写真制作を続けています。その都市の表情は、鑑賞者に既視感を覚えさせるどこかありふれたものでありながら、同時にまったく独特の存在感を放っています。
物の見方は、見る条件によって異なるものです。例えば、恒星の明るさを分類する等級は地球から見える明るさを基準にしているため、地球以外のところから見れば同じ星であっても異なる明るさに見えます。福居の作品も、こうした星々の輝きと同じように、特定の見方や基準によって限定されることはなく、様々な解釈を可能にするものです。
作品・それを見る人・作品に介在するカメラの関係性は不動のものではなく、作品を見る人の視点・視野・視座などによって、そこに写し取られた風景の捉え方は多様で自由なものとなります。
展覧会タイトルの「アステリズム」とは「星群」を意味する言葉です。既に古くから定められている88星座(コンステレーション)とは違った視点で見出された星々のかたちです。作家が3年余りをかけて構想した20数点の写真作品が展示される本展にて、福居のさらなる挑戦をぜひご高覧ください。
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