レイコ・クボタとネイサン・コーエンは、通常の感覚で捉えられる空間・時間・フォルムを問い直し、作品を体現するための新しいテクノロジーとプロセスの創造を目指している。両者ともに最新作はサイエンス分野の研究者とのコラボレーションから生み出されたものである。
レイコ・クボタの作品は、Saccade Based Display(SBD)の開発者、渡邉淳司博士との共同研究の成果である。SBDによる視覚的イメージは瞬間的にしか得ることができない。それを恒久的なビジョンに転換するプロセスとして、数秒間という遅いシャッタースピードを用い、眼球運動をなぞるようにカメラを動かしてみた。そうして画面に定着した身体の軌跡を幾重にも重ね、静止画の連続によって動きを表現する。
Saccade Based Display
ネイサン・コーエンの最新作は、慶應大学大学院メディアデザイン研究科の舘研究室とのコラボレーションにより、光学迷彩(RPT)とマルチチャンネル・リアルタイム・ビデオ(MRTV)を駆使して創り出されるものである。そのなかでも鑑賞者と作品とのインタラクティブな視覚体験を促すような作品づくりを追及する。
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