2010 年8 月、新しいアートの動向を愛知から世界へと発信する国際芸術祭、「あいちトリエンナーレ」がスタートします。
第一回となる今回は、「都市の祝祭 Arts and Cities」をテーマに、国内外130 組以上のアーティスト・団体が参加し、現代美術、ダンスや演劇等のパフォーミング・アーツやオペラなどの世界最先端の現代アートをご紹介します。
作品の多くはここ愛知でしか見られない新作または日本初演で、美術館や劇場のみならずまちなかへも飛び出し、都市の日常風景の中に魅惑的な光景を出現させます。
まさに街を歩くほどに体感できるアートの力。
街がまるごとアート空間となるスリリングな都市の祝祭にぜひお出かけください。
祝祭性
■愛知・名古屋のシンボリックな都市空間で、スペクタクルな作品を展開。
○草間彌生
無数の銀色の鏡が水面を埋め尽くすインスタレーションを、栄地区のオアシス21の屋上にある水を使った施設「水の宇宙船」において展示予定。地上から見上げると、水盤を通して鏡が雲のようにも感じられ、普段とは異なる空間が出現。
○池田亮司
光と音のサイトスペシフィック※・インスタレーション≪spectra [nagoya]≫を、名古屋城二の丸広場にて9/24(金)・25(土)の2 日間 オールナイトで実施。(※特定の場所に帰属する性質を示すこと。)
成層圏まで到達する64 台のサーチライトによる強烈な白色光と、10 台のスピーカーから出力される音の波とを組み合わせたインスタレーション。都会の中心に突如出現するこの巨大な光のタワーは、雲の動きや雨によって常に変化し続け、その姿を街のどこからでも見ることができる。この「spectra」シリーズは、2008 年にアムステルダムとパリで、今年6 月にスペインのバルセロナで行われ、好評を博した。日本では、あいちトリエンナーレ2010 で初公開する。
■街や地域に溶け込んだ展示やパフォーマンス
○約30 組のアーティストが長者町会場などのまちなかで作品を展示。店舗の庇をスクリーンにした志村信裕による作品や、店先、日よけなど様々な場所で色のグラデーションを見せるルシア・コッホによる作品など、街の歴史や風景を取り込んだ展示を行う。
○通常11 月に開催される長者町の「ゑびす祭」が、今年はトリエンナーレ会期中の10/23(土)・24(日)に開催される。祭ではKOSUGE1-16 が制作した山車の練り歩きなどを行いながら、訪れた多くの人々に現代美術の展示やパフォーマンスを楽しんでいただく。
先端性
○現代美術からは75組が参加。作品のほとんどは世界初または日本初紹介となり、世界最先端の作品を鑑賞可能。これにより、日常を越えた新鮮な体験を促す。
○パフォーミング・アーツにおいては、平田オリザ+石黒浩研究所(大阪大学)によるロボットと俳優が共演する科学とのコラボレーションした舞台をはじめ、既存ジャンルの枠に収まらない21組のアーティストによる世界初演、日本初演となる最先端の公演を実施。
複合性
○現代美術(ヴィジュアル・アーツ)を中心にパフォーミング・アーツやオペラなども行い、ジャンルを横断した展開を実施。
○ジャンルを超えた出会いの場を創出するようなパフォーマンスやインスタレーションを展開。特に愛知芸術文化センター8階ギャラリーGではラ・リボットによる言葉の断片をコラージュする≪Laughing Hole≫やスティーブン・コーヘンによる南アフリカのスラム街を舞台にアイデンティティに潜む疑問をテーマとした≪Chandelier≫など、パフォーミング・アーツとヴィジュアル・アーツとが複合化した境界領域に位置する実験的表現を紹介。
国際性
○ 24の国と地域からアーティスト・団体が参加する日本最大級の国際展である。
○ アジアの主要な国際展(横浜トリエンナーレ、上海ビエンナーレ、広州トリエンナーレ、光州ビエンナーレ、釜山ビエンナーレ)が幅広く連携したシンポジウムを開催する。
主な会場
■愛知芸術文化センター
愛知県美術館とオペラハウス機能をもつ大ホール、小ホールやコンサートホールなどが複合した、日本屈指の大規模公立文化施設。1992年開館。
展示、公演アーティスト:草間彌生/蔡國強/ハンス・オプ・デ・ビーク/ヤン・ファーブル/ラ・リボット 他
名古屋市東区東桜1-13-2
TEL(052)-971-5511
火・水・日 10:00-18:00、木・金・土10:00-20:00 月休(月曜日が祝日の場合は翌日休館)
地下鉄東山線、名城線「栄」徒歩2分、名鉄瀬戸線「栄町」徒歩2分
■名古屋市美術館
名古屋市中心の緑豊かな白川公園の中にある美術館。黒川紀章の代表作として名高い。1988年開館。
展示アーティスト:ジェラティン/塩田千春/島袋道浩/トム・フリードマン/フランツ・ヴェスト 他
名古屋市中区栄2-17-25
TEL(052)-212-0001
火~木・土・日9:30-17:00、金9:30-20:00、月休(月曜日が祝日の場合は翌日休館)
地下鉄東山線/鶴舞線「伏見」徒歩8分、地下鉄鶴舞線「大須観音」徒歩7分、地下鉄名城線「矢場町」徒歩10分
■長者町会場
江戸時代中期から昭和初期までは花街として賑わい、戦後は日本三大繊維問屋街の一つとして発展。空きビルや駐車場用地等をトリエンナーレのスペースに活用する。サポーターズクラブ(LOVEトリーズ)によるカフェもオープン。
展示アーティスト:淺井裕介/ジュー・チュンリン/トーチカ/ナウィン・ラワンチャイクン/ルシア・コッホ/渡辺英司 他
名古屋市中区錦2
11:00-19:00 (金のみ11:00-20:00)無休
地下鉄東山線/鶴舞線「伏見」徒歩5分、地下鉄桜通線/鶴舞線「丸の内」徒歩5分
■ 納屋橋会場
堀川沿い、納屋橋の東端に位置する施設。ボウリング場などとして使用されてきたユニークな建物。
展示・公演アーティスト:小金沢健人/カーメン・ストヤノフ/ヤン・フードン/ボリス・シャルマッツ 他
名古屋市中区栄1-2-45
11:00-19:00 (金のみ11:00-20:00) 無休
地下鉄東山線/鶴舞線「伏見」徒歩5分
※その他、名古屋城、オアシス21、中央広小路ビル、七ツ寺共同スタジオ等の都市空間で展開するほか、様々な文化芸術施設等と連携して開催。