Re-play=再生
「再生」とは複製、量産された事を前提として成立する。
大量生産のもと経済成長を遂げたかつての日本にとって、量産の意味とは 単なる成功の道具として認識されていたのではなかろうか?
楽器、エフェクター、オーディオ・スピーカー、モーターサイクルといった 量産された製品を更に増築し作品化することで知られる佐藤好彦も当時 この経済構造が永遠のものと錯覚したという。
2010年現在、日本経済を加速化させたこのしくみが一時有効なものであり、 むしろ郷愁として映るのは、人々の多くが量産の意味を取り違えて消化してしまった からではなかろうか?
その意味を保留にしたまま増幅され奇形化された佐藤の作品は、その確かな技術が 裏付けるように、細胞分裂にも似た複製という機能が時間的淘汰に耐え、生き残る手段 の一つであることを示唆する。
芸術倉庫にて開催する「Re-play」は、2003年に制作された 「Prime Mover 」「Glory Arms 」が
7年の時を経て再生される展覧会である。
栃木県那須郡那須町高久丙3227-1