淺井裕介は1981年生まれ。陶芸を学んだ後2001年から現在に至るまで、ギャラリー、美術館、公共空間と場所を特定することなく、あらゆる場で絵を描き続けています。
「人」、「動物」や「植物」と淺井の描くモチーフは、根源的な生き物の単位であり、日常生活の中で常
に描き続けることで自然に身体から生み出される絵は、奔放ながら繊細で力強く、観る者に心地よい生命感と開放感を感じさせます。
淺井の絵は、ペインティングの概念の枠組みに収まらず、ペン、インクなどで描く作品から、マーカーペンで描いたマスキングテープによって壁に増殖させ描いていく作品「マスキングプラント」、採取した現地の土と色彩の違う土によって描く作品「泥絵」、埃や汚れた壁面を消すことで描かれる線によって描かれる絵、そしてロープ、道路の白線のシートなど、身の回りの素材すべてを自由に使い、次々と新しい表現に向かって広がっていきます。
日々感じている想いと休みなく手を動かし続ける姿勢は、心身を通じて作家の「生」そのものと直結し、絵に対する果てることのない興味と欲求が、淺井の絵画の本質にせまっていくのです。
昨今は、ジョグジャナショナルミュージアム(2008年、インドネシア)、ソウル市美術館(2009年、韓国)、福岡アジアトリエンナーレ2009(福岡アジア美術館)、群馬県立近代美術館(2009年)、水戸芸術館(2008年)など国内外の美術館や、「広島アートプロジェクト2008」、「赤坂アートフラワー」(2008年)などアートプロジェクトの参加が目覚ましい中、昨年は若手作家の平面作品の登竜門といわれる「VOCA展」で大原美術館賞を受賞し、活動の幅がさらに広がってきています。
また今年はインドの小学校を会場にしたアートフェスティバル「ウォールアート・フェスティバル」から始まり、本展覧会の他、三菱地所アルティアムでの個展「ショッピング」(福岡、6/12-7/11)、「湖畔の原始感覚美術展」(西丸震哉記念館他、8/1-31)、「あいちトリエンナーレ2010」(名古屋、8/21-10/31)と発表が続いていきます。
本展は、淺井が最近描いている「人」のシリーズと「植物」をモチーフとした絵を中心とした展示を行います。また今年の展覧会予定の三菱地所アルティアム、ARATANIURANO、あいちトリエンナーレと続けて発表する映像作品のうちのひとつとして、齋藤祐平とのユニット「聞き耳」での映像作品「紙電話」シリーズを展示します。
また会期中後半では、「紙電話」シリーズでのライブペイントを行います。
スペシャルイベント「紙電話・ライブ」
9月3日(金)19:30~21:30
ゲスト、齋藤祐平、多田玲子、下平晃道、松本力、他
〒104-0041 東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A
TEL : 03-3555-0696
FAX : 03-3555-0697
http://www.arataniurano.com/