「わたし」にとっての理想郷を描く河野里沙。河野にとって絵を描くということは、「わたし」が「わたし」でいられる場所、自分自身が安らげる場所を絵の中に見つけるということです。絵の中に佇む女性は、自画像のようでもありますが、同時に河野が抱く憧憬を具現化した、人間を超越した永遠の存在でもあります。
「blue season」
2010年
キャンバス、油彩
91×116.7cm (F50)
本展のテーマは「eternal flower」。永遠に美しく咲き続ける花たちと、花の化身であるかのような永遠の命を持った人物が艶めかしく描かれています。永遠である花や人は、美しさだけでなく、畏怖にも似た印象を受け、また冷淡なイメージさえ感じ取ることができます。それは、命を持つものにとって、永遠であることは、すなわち現世のものではないことを意味するからでしょう。作品の妖艶な雰囲気は、希望や安らぎを求めるために「永遠」を手に入れようとすることが、禁断の行為であることを示唆しているかのようです。
「The afterlife was twinkling」
2010年
キャンバス、油彩
130.3×193.9cm (F120)
河野は、2009年「アートアワードトーキョー丸の内」でシュウ ウエムラ賞を受賞、shu uemuraとのコラボレート化粧品でパッケージデコレーションを手掛けた"shu uemura 2010 A/W モードメイクアップコレクション「florescent」"が、8月1日より限定発売されます。また今秋には、旅をテーマにしたクレンジングオイルもアジアの機内と空港免税店で限定発売される予定です。
本展では、河野里沙の新作に加え、shu uemuraとのコラボレート化粧品で使用された原画を展示いたします。
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