八王子市夢美術館では「少女画」のスタイルを確立した人物として知られる高橋真琴の作品を紹介します。
大きな瞳に輝く星と優雅に舞う花々・・・少女漫画の王道となったこの表現は、一人の画家によって「少女画」として確立されました。絵物語や漫画をはじめ、高橋真琴ならではの華麗で繊細に描かれた「少女画」は数多くの少女誌の表紙を華々しく飾り、また一方では文具や雑貨などのデザインを積極的に行い、少女達に宝物のように愛用され、「憧れ」や「ときめき」の象徴として一世を風靡しました。当時は西洋の生活様式や文化を伝える情報も限られていました。しかし「少女画」にはパリの風景、流行のファッションやヘアスタイルなど、おしゃれなエッセンスが凝縮され、少女たちの心を捉え魅了したのです。
「白雪姫」(個展作品)/2000年©高橋真琴
「少女画」の多くが正面を向いている理由には、明確な作家の願いと意図があるのです。嬉しい時や悲しい時に、見る者と「描いた少女」が共に語り合えるようにと、微妙な表情を意識して描いています。「少女画」は心で見る事で語り合え、自分だけの物語も生み出すことができるのです。卓越した高橋真琴の画業は、各界で活躍する作家達にも少女期文化のバイブルとして多大な影響を与え続けています。
本展では、原画の他、真琴デザインの文具、雑貨、また初公開となる下絵や貴重な資料など、約230点を展示します。高橋真琴の初期から現在に至る代表作の原画を最大規模で一堂に集め、その「少女画」の魅力を余す事なくご紹介します。
ぜひご高覧ください。
「おやゆびひめ」幼児雑誌『よいこ』7月号(小学館)/1981年©高橋真琴
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