海老原靖2期連続個展
前半は代表的シリーズNOISEより100号4枚組および20号4枚組を含む数点を展示いたします。
NOISE Concept:
古い一本のビデオテープがあった。テープに録画されている映画をみるとテープは摩耗しているようで走査線が乱れ画面がざらついていた。
走査線は色となって暴力的に画面を支配している。
ある映画のワンシーン、ノイズの向こう側にうつう女性は何をみつめ、何を思考しているのだろうか?映像という時間から切り取られたそれらの顔は、ただそこにある。断片の連続の間を往復しながら描かれなかった顔、あるべき背景があるはず。それh、人生そのものを象徴していて、今この瞬間にも時間を記憶に隙間が生じて、ノイズに描かれた静寂の一瞬がある。映画をモチーフにすると、この瞬間というか一瞬の静寂とノイズの関係が見えてくる。そして、見終わったら手元には何も残らない。映画を見ている最中に感じたことだけ、見た人それぞれが違ったものを持ち帰る。そして、細部は時間とともに消えていく。
人間が生きている瞬間瞬間は、自らの記憶と時間に大きく関係している。その瞬間の光り、人生そのものが広大な時間の中の一瞬の輝き。人間がひたすら消費し消え去っていく時間に生じるノイズの一瞬は、無限の時空への扉を開くことになる。
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