鍛え上がられたデッサン力と技量+狂気さえもはらんでいる独特の感性を持つ画家、藤原由葵。
描くことへの執着を感じさせる作品に畏怖と脅威を覚えますが、ところどころにちりばめられたユーモアも彼女の特質。見るたびに発見があります。
昨年の東京コンテンポラリーアートフェア(2009年 11月東京美術倶楽部)では過去の作品を披露しその存在感を示しました。
この度新作4点によるYOKOI FINE ART念願の初個展を開催します。新作は高齢化社会における介護問題、社会問題に着眼しています。超高齢化社会到来前に老人パワーが炸裂します!
藤原由葵の「今」をこの機会にぜひご高覧ください。
世代後退の様子、老いた心と体の介護。やっぱり人間に生まれたからにはどうやら、夢を心に持たないと死んでしまうらしい。金だけで生かす命に、若人は自ら、老人は囲む他人が価値や意味を定める。でも命に夢が伴っている場合、都合が変わってくる。どんなに世間でどうでもいい存在に思えても、本人が夢さえ思い続けている間は、どうにか生きられるのが人生らしい。
長生きしたいですか?私は長寿に魅力をあまり感じない。私は過去の半生に反省しながら、残る未来の半生を想定する。生かされて、感じさせてもらった今まで。今後は自ら感じて、生きなければならない。迷いなく生きるみたいな自力は、人間の愛で育てた夢から齎される。
世代のズレ、楽しんでますか?私はいまのところズレもボケも楽しんでます。gapはモテて、generation gapも現世もてはやされ、年の差なんて関係ない。お互い敬って育んでます。そうでなければ世代交代、それは老いた人に代わって若い人が後を継ぐのが元来でしょうが、逆になってて、老人は狩や戦に出て、若人はもてあますばかり。豊富な富と、経験と知識が漲る心身を持つ老いた勝者群。守らず挑め!蘇れ!受けて立て~!へなちょこ講釈な若き敗者群よ。
ということで、「寿星大王」には好好爺な御爺様を描いております。男のロマンを出力してます。「寿星女王」には婆娑羅な御婆様を描いております。女のホープを入力してます。
―藤原由葵 新作「寿星大王」、「寿星女王」解説文
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