浮世絵は、江戸庶民の生活風俗などを版画を中心にして、美人画・役者絵などさまざまなテーマで表現してきました。なかでも「美人画」は、浮世絵の主流であり、喜多川歌麿をはじめ多くの絵師たちが、それぞれの時代を反映した女性のスタイルを題材にした作品を残しています。絵師たちが腕を競った「美人画」というジャンルは、単に女性の肖像画としてだけでなく、その時代の先端をゆく女性達のおしゃれや流行などの情報が詰まった江戸時代のファッション画でもありました。
この展覧会では、浮世絵蒐集家として知られる中右瑛氏のコレクションから、女の色香を巧みに描いた喜多川歌麿・歌川国貞・歌川豊国・渓斎英泉、可憐な女性を題材とした鈴木春信、清朗な女性を得意とした鳥居清長らの作品119点(肉筆画を含む)を一堂に展示します。
絵師たちが追い求めた理想の女性像と江戸時代の粋な風俗をお楽しみください。
歌川広重「見立浮ふね・隅田川の渡」
渓斎英泉「浮世風俗美女競」
〒737-0028 広島県呉市幸町入船山公園内
TEL:0823-25-2007