イヴ・マースはベルギー アントワープを拠点に、写真作品などを制作する現代美術作家です。
今回展示する作品はマースの代表作のひとつ、写真シリーズのプロジェクトからの作品で、世界各国の国際博覧会(万博)の跡地で、サイエンスフィクション映画のキャラクターを撮影し、写真作品とするものです。
題材としている万博は、一般的に世界平和のため、人類が築いてきた芸術、技術、科学の進歩を世界各国が、最先端技術を駆使し、提示する催しです。それは前向きで希望に満ちた未来を予想させます。一方、サイエンスフィクション映画は発達しすぎたテクノロジーや科学の進歩に対して批判的であり、時には未来を予見するかのような警告的な内容が描かれ、人間が巻き起こした悲劇が隠喩として提示されています。
作家はこの対比をユニークな視点でユーモアを織り込み、写真作品として完成させます。私たちは作品の中に、どこかで見たことのある風景や地球外生物、キャラクターを見つけ、違和感とおかしさを感じるでしょう。芸術家は時に預言者のように世の中の不条理、真理を表現しようとします。イヴ・マースもその一人といえるでしょう。
今回はヨーロッパ万博会場で制作した同シリーズ作品をご紹介します。
ベルギーを代表する作家のひとりであるイヴ・マースの日本初個展となります。どうぞご期待ください。
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