1860年に南モラヴィア地方(現在のチェコ)で生まれたアルフォンス・ミュシャは28歳のときにパリに移り、舞台女優サラ・ベルナールの芝居「ジスモンダ」のポスターを制作します。この作品が話題を呼び、以後彼は女性と様式化された植物文様を組み合わせた装飾的なポスターを多数制作し、それらはパリの街を彩りました。1910年、彼は人気絶頂のさなか故国に戻り、1939年に没するまでスラブ民族の歴史を題材とした壮大なスケールの作品を数多く制作しました。現在ミュシャの名は、19世紀末に世界的に流行した「アール・ヌーヴォー様式」の代表的人物として位置づけられています。
今回は、日本で最も多くのミュシャ作品を所蔵する堺市の所蔵品の他、チェコ国内およびフランスの美術館からも作品を借用して展示します。
作品も初期の油彩、水彩から、華麗な代表作やポスター作品などに加え、晩年のチェコにおける作品まで、日本初公開作品を含むミュシャの全貌を俯瞰できる展覧会です。草花に囲まれ、美しい衣装に身を包んで佇む女性たちの姿は、女性美の極みの一つと言えるでしょう。世紀末パリに花開き、祖国チェコをこよなく愛した画家ミュシャの作品世界をお楽しみください。
アルフォンス・ミュシャ「ジスモンダ」1895年、堺市蔵
アルフォンス・ミュシャ「ヒヤシンス姫」1911年、堺市蔵
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