etudeシリーズとは
通常、音楽で「etude」と言うと、"ピアノのための・・・"という風に、何かの楽器を"弾きこなす"ために繰り返し演奏されるために作られた「練習曲」を意味しますが、mamoruの「etude」は日常品や日常行為から生みだせるちょっとした音のアイデアをもとに、サウンドオブジェ、パフォーマンスやビデオインスタレーションなど様々な形で実現され日常を「使いこなす」ために繰り返されます。これは「とるに足らないと思われている」ものを「価値あるもの」にすり替える試みです。
「etude」シリーズ作品の重要な要素として、参加者の体験の中で作品が成立していく点があげられます。カナダでは住民を訪問し、友達になり、訪問先で借りた日常品(ハンガーやガラス瓶)で音作品を制作しました。 最近のパフォーマンスでは参加者が「飲食」することで生まれる関係性を扱う作品などがあり、この点においてmamoruの作品はリレーショナルアートに通じると言えます。
展示について
本展では、プラスチックストローの端を、そっと吹くことで鳴る不思議な音をとりあげたetude no.7より新作映像などを発表します。この、「etude no.7 / オレンジソーダのためのヴァリエーション」と題された映像では、コンビニで買ったジュースをストローで飲むという日常的な場面を起点に、単なるストローが作品化していく様子をユーモアを交えて映し出します。
会場には映像に関連したサウンドオブジェや、「オレンジソーダのためのヴァリエーション」を来場者が実際に体験できるドリンクバーが開設されます。また、世界各地のレストラン、カフェテリア、コンビニでストローを集めては音をためし、理想の「音」を追い求めた結果割り出されたデータをもとに工場発注され、作品化されたオリジナルストローや、mamoruによる「世界ストロー財団」というプロジェクトのもと、ストローが世界5カ国約 1000人の人達に手渡されてきた記録も併せて展示されます。
また別室にて、昨年の夏から秋にかけてYUKA CONTEMPORARYを含む国内数カ所で行われた「etude no.12 / ノリの佃煮を皆で食べるヴァリエーション」のワークショップ・パーティーをもとに作られた新作映像もインスタレーション形式で発表する予定です。
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