世界の人々に愛されている日本の浮世絵。世界各地の様々なコレクションが日本で続々と紹介されており、浮世絵が世界規模で広まっていったことを実感させられます。本展は、イタリア・ボローニャの浮世絵コレクター、ジュリアーノ・ベルナーティ氏とカルロ・コンティーニ氏が秘蔵する浮世絵の中から、ボローニャ東洋美術研究所の協力により、200点あまりの作品を選りすぐり、日本で初めて公開するものです。
歌川広重「魚づくし こちに茄子」
浮世絵初期の奥村政信の墨摺りから、鈴木春信の錦絵とその後の発展を経て、歌川国芳、歌川国貞の幕末期、さらには川瀬巴水や吉田博といった近代の作家まで、浮世絵の通史が存分に楽しめます。また、広重の戯絵や国芳のおもちゃ絵といった一風変わったジャンルや、近年注目を集めている上方浮世絵も見ることができます。これまで日本人には「死角」に入って見えなかった、イタリア人が選んだ浮世絵ならではの意外な視点や珍しい作品をお楽しみください。
古都ボローニャに静かに眠っていたコレクションが時を経て日本へ里帰りする本展は、イタリア人の感性を知るうえでも非常に重要なものであると同時に、我々日本人が浮世絵の魅力を改めて見直す絶好の機会となることでしょう。
三代目歌川豊国「三代目沢村田之助の瞽女朝顔」
〒175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27
TEL:03-3977-1000(展覧会テレホンサービス)