パリ最古の橋ポン・ヌフを輝くベージュの布で包み、カリフォルニアの丘陵地帯と日本の田園風景に黄色と青の傘の花を咲かせ、ベルリンのライヒスターク(旧 帝国議会議事堂)を銀色の布で包んでしまったクリストとジャンヌ=クロード。彼らのプロジェクトは常にゆるぎないコンセプトのもと、長い年月を費やしなが ら人々を説得し、実現へと進められていきます。2005年2月、ニューヨークのセントラル・パークにサフラン色のゲートを7503本連ねたプロジェクトは 私たちの記憶に新鮮ですが、これも20年以上に渡る交渉の末についに実現したものでした。
「囲まれた島々、フロリダ州グレーター・マイアミ 1980-83」
写真:ウルフガング・フォルツ
本展では、こうした活動の軌跡を表すドローイング作品や完成したプロジェクトの写真、ドキュメンタリー映画などによって、壮大なプロジェクトを現実のもの としていくプロセス、さらにはその根底に宿る美しさへの情熱に目を向けます。 2009年11月18日、ジャンヌ=クロードは惜しくもこの世を去りましたが、クリストは今もなお二人が描いたプロジェクトのためにさらに歩みを進めてい ます。 会場では、コロラド州の「オーバー・ザ・リバー」やアラブ首長国連邦での「マスタバ」等、現在進行中のプロジェクトの一部もあわせて紹介します。
本展はクリスト、ジャンヌ=クロードと三宅一生との長年の友情関係を背景に、二人のプロジェクトに25年間関わってきた美術評論家 柳正彦の監修によって構成されます。本展を通して、驚きと感動に満ちた二人の「LIFE=WORKS=PROJECTS」に触れられる機会をつくります。
「ゲート、ニューヨーク市、セントラル・パークのプロジェクト」ドローイング 2005
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