「わたし」が「わたし」でいられる場所、「わたし」にとっての理想郷を描く河野里沙。河野にとって絵を描くということは、自分自身が安らげる場所を絵の中に見つけるということです。絵の中に佇む女性は、自画像のようでもありますが、同時に河野の平穏を守るための菩薩や天女といった意味合いも含まれており、守護天使として描かれています。
参考画像(修了作品) 「森の中の静寂な楽園」 2009年 綿布、油彩 1940×3880mm
「天界と安らぎの湿度100%」※上記修了作品のためのエスキース
河野の作品は仏教思想にも影響を受け、仏教絵画がモチーフそれぞれに意味を持つように、画面に描かれた装飾は、それぞれに意味を持っています。実際、作品の構想を固めるときは、スケッチやデッサンとは別に、エスキースとして文字を配置していくことが第一歩となります。一見、ガーリーでメルヘンチックな作品ですが、明確なキーワードの配分によって描かれた守護天使や装飾には、その「Silent Paradise」を守るための強固なメッセージが込められているのです。
「The afterlife was sparkling」 キャンバス、油彩 910×910mm
2009年アートアワードトーキョー丸の内で、シュウ ウエムラ賞を受賞した河野里沙。本展では、新作ペインティングを発表いたします。どうぞご期待ください。
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