19世紀イタリア。リソルジメント(国家統一運動)の熱い機運に呼応して、自由と独立の理想を掲げた反アカデミスムの芸術運動が各地で起こっていました。そのなかのひとつ、1850年から60年頃にかけてトスカーナ地方で興ったのが、マッキアイオーリ(マッキア派の画家たち)です。
当時フランスでは印象派の画家たちが自然主義的な新しい表現手法を模索していましたが、自然界の光や色彩、明暗が織りなす関係(=マッキア)を追求した彼らの試みはまさに「イタリアの印象派」そのものでした。
本展では、日本初公開の作品を含む60点あまりの絵画と彫刻作品により、風景や日常生活、戦場の兵士たちの姿などを、詩情豊かな画風で描いたマッキアイオーリの活躍をご紹介します。
テレマコ・シニョリーニ
《セッティニャーノの菜園》
制作年不詳
油彩、カンヴァス
個人蔵
本展は、1850年代イタリアに生まれた、フランス印象派に先立つ先進的な芸術運動「マッキアイオーリ(マッキア派)」の作品を紹介するものです。フィレンツェのピッティ宮殿近代美術館や、リヴォルノの市立ジョヴァンニ・ファットーリ美術館をはじめ、イタリア各地の美術館・コレクターが所蔵するマッキアイオーリの代表的作品63点が一堂に会します。
マッキアイオーリの作品は、1979年に「イタリア印象派展」として新宿・伊勢丹美術館で紹介されていますが、今回展示される作品のうち50点以上が本邦初公開です。
マッキアイオーリを代表するジョヴァンニ・ファットーリ(1825-1908)、シルヴェストロ・レーガ(1826-1895)、テレマコ・シニョリーニ(1835-1901)を含め、20名の作家を紹介します。
シルヴェストロ・レーガ
《ジュゼッペ・ガリバルディの肖像》
1861年
油彩、カンヴァス
モディリアーナ、市立ドン・ジョヴァンニ・ヴェリタ美術館蔵
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