脇田和(1908~2005)は東京に生まれ、15歳で渡欧、17歳でベルリン国立美術学校に入学して、人体デッサンや版画の技術を学びました。1930年に帰国後、新進気鋭の画家として活躍を始め、小磯良平や猪熊弦一郎らとともに新制作派協会(現・新制作協会)を創立しました。戦後はヴェネチア・ビエンナーレなどの国際展に出品するなど国内外で活躍し、97歳で亡くなるまで制作意欲は衰えることなく、豊かな色彩感覚が画面に響く作品を残しています。子どもや鳥、花といった身近なモチーフに温かい眼差しを注ぎ、一貫して愛する世界を描きました。
《一つ咲く花》1996年 脇田美術館蔵
本展では、脇田美術館の作品を中心に、ベルリン留学時代の作品を含む初期から晩年までの油彩の代表作約50点、素描、版画など約10点を一堂に展示し、独自の美意識で作品を描き続けた脇田和の世界を紹介します。
《ボスの花器》2003年 脇田美術館蔵
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