油絵(=油彩画)は19世紀後半に日本でも本格的な作品の制作が始まりました。油絵はさまざまな対象を的確に描写することができ、加筆や修正も容易、耐久性にもすぐれています。そうした油絵は日本の近代美術を支える主要な技法となっていったのです。
ヨーロッパで誕生した油絵ですが、画家たちは日本の風土や文化を反映する作品を制作してきました。日本の油絵の歩みをふり返ることは、近代美術のみならず、美術をとりまく社会や歴史について考えることにも通じているのです。
この展覧会では当館の所蔵する油彩画62点(寄託作品2点を含む)を6部のテーマによって展示します。それぞれのテーマは歴史的な展開を追うものではありませんが、20世紀美術における主要な動向をも反映し、近現代美術の歩みを追体験していただく機会となっています。
小林孝亘 《HOUSE》 1996年 栃木県立美術館蔵
桂ゆき 《マスク》 1970年頃 栃木県立美術館蔵
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