平均標高4,000メートルを越えるチベット高原では、その厳しい自然条件の中にあっても古くから農業や牧畜に従事しながら人々が暮らしてきました。7世紀には吐蕃(とばん)王国が成立し、その最盛期(8?9世紀)には西域にまで領土を広げ、唐の都・長安に攻め込むほどの勢力を誇りました。その後チベットは、インドで発展した後期密教を取り入れながら、中国を通じて日本に伝わった密教とは大きく異なった密教を発展させました。そして元・明・清の歴代中国王朝とも密接な関係を持ちながら、豊かで独自な文化を育んできました。
弥勒菩薩立像 11?12世紀 (東北インド パーラ朝)
ポタラ宮蔵 【国家一級文物】
この展覧会ではチベットの成立にはじまり、チベットで発展した独特の魅力あふれる仏像・仏画などの密教美術、歴代王朝との交流を示す中国陶磁器、そしてチベット医学や楽器なども含めて幅広く紹介します。ユネスコ世界文化遺産にも登録されているチベット自治区のポタラ宮や河北省承徳宮をはじめとする、宮殿や寺院に保存されている至宝約120件(うち36件は日本の国宝に相当する国家一級文物)によって、チベットの歴史と文化の精髄をご覧いただけます。
十一面千手千眼観音菩薩立像 17・18世紀 (チベット)
ノルブリンカ蔵 【国家一級文物】
カーラチャクラマンダラ・タンカ 17?18世紀 (清代)
ノルブリンカ蔵 【国家一級文物】
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