ビリビリに破った顔写真をカットアップするように再構成コラージュして着彩し、全く新しい顔面を創造する、という木村氏の「顔面画」は、一度見たら忘れられないインパクトを放っています。約20年前、人間の顔の魅力に覚醒し、それ以来モチーフとしてこだわり続けてきた彼が、そのスタイルを決定的に確立したのが1999年の「顔破(がんぱ)」のシリーズでした。
イラストレーションの領域を打ち破って、コンセプチュアルアートの妙美までを感じさせるそのシリーズは、2000年、渋谷パルコギャラリーでも夥しい数をもって展開・展示され、大きな話題を呼びました。
2001年以降はさらに顔面への希求が進化。「キムスネイク」の名でコラージュアニメーションの制作も手がけるようになり、一枚絵による顔面画は変幻自在な動きという新しい命を吹き込まれるようになったのでした。
その後、多くのオリジナルキャラクターを作り出すなど、多彩な表現活動を続けている木村氏。英国最大の映像フェスティバル「ワン・ドット・ゼロ2009」にて動画作品「BORN to BONE」が上映されるなど、国際的な活動も増えてきました。
そんな彼が本展で挑むのは、自身の原点に立ち返ること。「私はずっと。顔の中で夢を見ていたのかもしれない―」。そうした思いがそのままタイトルとなっています。全て新作によるコラージュ作品を約30点あまり。動画制作で会得した時間軸による多面性を、いま一度、絵画の中へどう封じ込められるか。そのチャレンジになります。
顔というモチーフは、「創発の快楽であり、自分の内面を映す鏡であり、森羅万象の集約」と言い切る木村氏。その水先案内によって、見るものも自らの根源を突き動かされ、新しい宇宙へと羽ばたく体験を得られるかも知れません。
<トークショー開催>
12月4日(金) 開場 18:30 出演:井上晃一(映像クリエーター)×木村タカヒロ
入場無料 GALLERY SPEAK FORへの電話予約要(11月14日より受付 03-5459-6385)
<グッズ販売情報>
木村タカヒロオリジナル、FACEFULブランド初登場!
コラージュ柄全面プリント、Tシャツを、「顔の中の夢」展会期中GALLERY SPEAK FOR にて販売いたします。
<プロフィール>
木村タカヒロ
1965年東京生まれ。イラストレーター。セツ・モードセミナー卒業。
人間の顔面をメインモチーフに、多彩な表現方法を駆使して独自の世界を展開。
近年は、「キムスネイク」として、キャラクター、アニメーションの分野にも進出。
フジテレビで放送中の「ザ・ベストハウス123」のアニメーションなどで知られる。
父は伝説のアニメーター、木村圭市郎。
アーティスト公式ホームページ:http://www.faceful.org
〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町28-2 SPEAK FOR B1F
TEL: 03-5459-6385
URL: http://www.galleryspeakfor.com/
アクセス: 東急東横線「代官山駅」徒歩2分