実在する場所を不可思議な風景として描き出すことで知られる小西真奈は、2006年にVOCA賞を受賞し一躍注目を集めました。最近ではポートレート作品も併行して手がけ、新たな境地を切り開いています。
本展では、小西が実際に訪れた山々で撮影した写真を元に描いた新作ペインティングを展示致します。12月発売予定の作詞家・松本隆の40周年記念コンピレーションアルバムのデザインにも、小西の風景を描いた作品が起用されています。
横山裕一の描くドローイングやコミックは、ミニマルでポップな色彩感覚と構図、そして独特の視点により、まるで異星人のレポートでも見るかのような静寂と興奮をもたらします。イラスト/コミック/美術の境目を無効にする強力な存在ゆえに、「六本木クロッシング」(2007年 森美術館)、ただ今開催中の「City_net Asia」(ソウル市立美術館)など数多くの展覧会に招待されています。『アウトドアー』(講談社)、『ベビーブーム』(イースト・プレス)が発売されたばかり。ARATANIURANOでは初めての紹介となる本展では、横山自身がセレクトしたドローイングがずらりと並びます。
渡辺豪は、「境界」をテーマに、皮膚一枚という表層の差異でのみ肖像化された、写真と3DCG、バックライトを用いたポートレートのシリーズが話題となり、「ベリーベリーヒューマン」(2005年 豊田市美術館)、「ソウル・インターナショナル・メディアアート・ビエンナーレ」(2006年 ソウル市立美術館)「アジアン・アート・ビエンナーレ」(2007年 国立台湾美術館)、「ビッグ・イン・ジャパン」(2009年 CAC/リトアニア)など、これまで数多くの国際展に参加しています。本展では、渡辺の一連のシリーズの原点とも言える、アニメーションと写真、模型によるインスタレーション作「loop」(2004年)を関東圏では初めて公開致します。来年1月には、あいちトリエンナーレのプレイベントとして、愛知県美術館(展示室6)にて新旧の映像作品を発表予定です。
世界感や手法の全く異なる3人によって描き出された、目前に広がるパノラマを是非ご堪能ください。
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