この展覧会では、20世紀初頭をメディアと大きな関わりを持つ芸術が生み出されてきたひとつの歴史的な出発点と捉え、川崎市市民ミュージアムのコレクションの中から未来派、構成主義、バウハウスの作品を中心に紹介します。
同時代の芸術動向のひとつであるシュルレアリスムにおける「歪み」(ゆがみ)という特性についてはすでに指摘されてきましたが、この「歪み」が主題の物語性に基づくものであるのに対し、今回の展示では、予定調和を裏切っていく、観たときにはっとするような「歪み」に着目します。この瞬間性がシュルレアリスムのそれとは異なる点でありましょう。このことによって、芸術家の実験精神を浮彫りにし、次々と新たな見え方を切り開いていった20世紀芸術の一端をひもときます。同時に、現代のアーティストの作品も紹介し、テクノロジーやサイエンスと密接に関わりながら展開を見せている今日のメディアアートの源流を探る機会とします。
ラースロー・モホイ=ナジ 《フォトグラム》1926年頃
越田乃梨子 「破れのなかのできごと」より「部屋」2008年
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