池田はこれまで、主に樹脂を用いた様々な表現を展開してきました。今回型取りを通じて金魚や蝶などを成型してきた彼の代表的なシリーズと異なり、より抽象的な方向で素材の可能性を広げた新たなシリーズ「Plastic Flux」をご紹介します。
気体状の水蒸気が液体に変化することによって起こる結露をも思わせる今回の作品群は、透明樹脂を重力にまかせて硬化させ、均質な円形の水滴をつくりだすことによって生み出されています。
水滴が透明な窓を覆うような日常の中で見られる自然現象を絵画的に表現することによって、研ぎすまされた緊張感をたたえるまでに至る。
観客の視線のなかで無数の水滴がもつれあい、抽象的な流れ(flux)がうまれ、日常性と非日常性を視覚的に生成するという、新しい池田剛介の世界観をぜひご高覧ください。
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