絶滅したはずのニホンオオカミの遠吠えが、キリシマの森にこだまする!
国内外で高い注目を集めるアーティスト・鴻池朋子の九州初の大規模な個展が幕を開けます。
広大なアートの森は「地上」、美術館内は「地中」、その近隣も含めた展示エリア全体は「キリシマ地球」と名づけられ、観客はトラベラーとなって、マップ片手に作品を鑑賞しながら地球の中心まで旅をします。人間の心を地球という惑星として捉え、想像力でその深遠まで旅をするのです。
地上では、時を告げるオオカミの遠吠えが響き渡り、オオカミの化身である"12匹の詩人"が「子どもの脚」という姿で、森の巨木の梢、望遠鏡の中、さらには、硫黄の煙が立ち登る栗野岳温泉・八幡大地獄の中にその姿を潜ませています。
美術館内は地球の中。物語絵画、神秘的アプローチの襖絵、六本脚のオオカミ、ミミオという独自の生きものが登場する絵本、アニメーションなど多角的な表現方法によって内なる地球が展開します。そして、細い洞窟を抜けるとそこは地球の中心。創造と破壊のうぶ声をあげながら回転する巨大な「地球の赤ん坊」が、大量の光の粒を館内にまき散らしトラベラーを待ち受けています。
森の「地上」と美術館の「地中」を移動するトラベラーの心には摩擦が起こり、豊かな想像力が喚起されます。展覧会エリア全体に仕掛けられる、かつてない壮大な「遊び」によって「キリシマ神話」という新たなる物語の扉が今、開かれようとしているのです。
《ミミオ―オデッセイ》
2005
DVD
11分30秒
《第2章 巨人》(部分)
2005
アクリル絵具、墨、雲肌麻紙、木パネル
220.0 x 630.0 x 5.0 cm
撮影:木奥恵三
〒899-6201 鹿児島県姶良郡湧水町木場6340-220
TEL:0995-74-5945