画家、小野木学(おのぎがく)(1924?76)の回顧展を開催します。
小野木学は1924年東京に生まれ、1955年から1976年に逝去するまでの21年間、練馬区にアトリエを構えました。その縁もあり、練馬区立美術館には多くの小野木作品が収蔵されています。
小野木は、1940年代後半頃から画家を志し、独学にて絵画を学びはじめます。1950年代に入ると、第17回自由美術展や第9回日本アンデパンダン展に出品、これらの展覧会を中心に作品を発表します。そして、シェル美術賞展において2度の受賞、1960年には安井賞の候補となります。1961年に渡仏し、翌年7月に帰国しますが、帰国後、作風がシャープな印象の青い抽象画のシリーズ「風景」へと移行します。1975年に体調不良のため入院し、退院後の自宅療養中に制作した膨大な点数のパステル画・水彩画が残されています。
トウブンクスリハツカワナイ
1976年1月2日
21×19.5cm
水彩、パステル・紙
本展では、小野木の甥にあたる美術家、上矢津(かみやしん)氏によるエッセイ集『ナヤミノタネ ガク叔父さんへのレクイエム』(講談社)に基づいて、病床で制作されたパステル画・水彩画約70点を抜粋。一連の抽象画シリーズ「風景」や版画などと合わせ、小野木の画業を見つめ直します。青い抽象画とは全く異なるイメージから、小野木のもう一つの作品世界を感じ取って頂ければ幸いです。
ヒトバンヂュウフイタカゼ
1976年
18.2×23.0cm
水彩、鉛筆・紙
〒176-0021 東京都練馬区貫井1-36-16
TEL:03-3577-1821