天空の聖地チベットから国宝級の名品―世界的に注目を集めているチベット文化を総合的に紹介するわが国初の展覧会。世界文化遺産に登録されているポラタ宮と歴代ダライラマの夏の離宮だったノルブリンカ(チベット自治区ラサ市)、清朝皇帝の夏の離宮だった避暑山荘(河北省承徳)をはじめ、各地の寺院や博物館から出品された珠玉の123件。その3割が国家一級文物(日本の国宝に相当)という充実の内容。
弥勒菩薩立像
東北インド パーラ朝・11-12世紀
ポラタ宮
また、チベット密教美術の魅力を、今日まで大切に守られてきた仏像・仏画や法具を通して紹介する。迷える大衆を仏の道に引き戻そうと恐ろしい顔つきを見せる仏たち、女性の仏たち、また慈悲と智慧の合一を示す抱擁する仏たちなど、見たことのない、魅力あふれる仏たちの世界が広がっている。日本に伝わった密教とは異なる発展を遂げた、チベット密教の世界が展開する。
平均標高4000メートルを超えるチベット高原では、古くより牧畜と農耕に従事するチベット族が暮らしており、厳しい自然の中で暮らす人々の生活に信仰と祈りは深く結びついている。こうした密教文化を背景に持つチベット民族が古代から培ってきた独自の暮らしの知恵を、漢方や西洋医学と並ぶ伝統をもつチベット医学や装飾品、楽器などを通して紹介する。
カーラチャクラマンダラ・タンカ
清代・17-18世紀
ノルブリンカ
公式ホームページ:http://www.seichi-tibet.jp/
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