廃棄された引き出しをベルトで束ねただけのチェスト。子供の粘土細工のようなテーブル。現在、オランダの第一線で活躍するデザイナーの作品は、私たちのデザインに対するイメージとは大きく異なります。一方で、オランダからは人間工学にもとづいた合理的デザインのイスや、機能性を追求したシンプルな家電製品も生み出されています。
オランダデザインの持つこのような特徴は、国土の1/4が海抜以下という特殊な地勢から、国土を干拓などによって造成・維持するなかで培われた合理的な国民性や、美術における最新の造形理論を家具という日用品にあてはめたリートフェルトの前衛性にそのルーツを見出すことができます。
本展は、1920年代から現代にいたるオランダの家具・ポスター・家電製品などに現れたデザインを「ウィット」「革新性」「合理主義・機能主義」「簡明性」のキーワードにそって紹介し、オランダのデザインの持つ特徴について考えようとするものです。そこには、理知的でありながら遊び心あふれるオランダ人の「デザイン」感覚を見ることができるでしょう。
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ロディー・グラウマン 《85ランプシャンデリア》 1993年 droog design
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テーヨ・レミー 《ラグチェア》 1991年 droog design
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