愛と美の女神ヴィーナスの名は、美女の代名詞として使われることもあるほど、日本でもよく知られています。
ヴィーナスはそもそもギリシア神話ではアフロディーテと呼ばれ、美しい女神として数々の場面に登場し、神々や人間たちの愛や情事を左右するとともに、自身恋多き女神でもありました。彼女は、愛や美を司る女神として古代ギリシア人、ローマ人から篤い信仰を受けていました。その一方、女神の姿は愛と美の象徴として、絵画に彫刻に、あるいは工芸品などに繰り返し取り上げられ、名作を生み出す原動力ともなりました。それはルネサンス以降も変わることなく、現代にまで続いています。この女神が司る愛も美も私たちの人生に欠かせないものであり、いつの世も私たちを魅惑し続けていることの証でしょう。
本展では、米国ボストン美術館が所蔵する古代から現代まで5000年にわたる作品135点によってヴィーナスにまつわる神話や信仰を紐解きながら、この女神の姿を辿り、彼女の素顔に迫ります。
《ヴィーナスとキューピッド》 ジョン・シングルトン・コプリー
1779年頃、油彩、カンヴァス、ファイバーボード
Bequest of Susan Greene Dexter, in memory of Charles and Martha Babcock Amory 25.94
© 2009 Museum of Fine Arts, Boston
《マルスとヴィーナス》 ニコラ・プッサン 1630年頃、油彩、カンヴァス
Augustus Hemenway Fund and Arthur William Wheelwright Fund 40.89
© 2009 Museum of Fine Arts, Boston
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