小さい頃の思い出や読んでいる本の中の場面、何気なく聴いていた音楽、過去の作品といった自分の身の回りにある物や日々の生活の中から様々な影響を受けて描いています。
私が作品のテーマとして描いているのはこの混沌とした美しさと生命の力強さです。
なぜなら、私は今まさにその命が潰えようとしているものや、混沌としたものの中にある美しさと力強い生命の様なものを見い出し、そういったものに注がれる人々の哀れみに満ちた眼差しとその消えゆく命の儚さ、それと相反して命潰えるまで生きようとする生命の力に美しさを感じるからです。( 飯田キリコ)
「描いているうちに手が勝手に作品を書き上げる。」
それは、彼女の感性が理性の干渉を排して筆を走らせ頭に浮かんだ情景をそのままに描き出されたものなのです。
おそらく、子供の頃、我々はみんな彼女の様に絵を描くことを楽しんでいたかもしれません。
兎角、人間は歳とともに本性を理性という皮で覆い隠し、いつの間に己の本性を見失って、あれやこれやと考えて素直に感じたままを描いたり、言葉に出したりといったことを出来なくなっています。
そんな我々にとって彼女の描き出す情景は我々が忘れてしまった原風景なのであり、懐古や郷愁の念を抱かせるのでしょう。
とても懐かしく、思わず笑みが溢れてしまう様な子供達の肖像、豊かな色彩で描き出された生き物達の厳しくも実りと幸せに満ちた営み。
自らの日々の営みから頭の中に湧き上がる様々な情景をシュルレアリスティックでありながら、どこか優しいタッチと従来の作品とは一線を画す豊かな色彩で表現した新作を中心に展示致します。
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