青森県立美術館では、太宰治生誕100年を記念し、「太宰治と美術―故郷と自画像」展を開催します。
太宰治(1909?1948)の代表作『人間失格』では、主人公が漫画家であり、自画像や写真が重要なモティーフとなっていますが、太宰自身も中学時代から美術に関心が深く、同人誌などの表紙を自らデザインしたほか、ノートや教科書には自画像をはじめとする顔の落書きを繰り返し描いていました。また、晩年に友人の画家のアトリエで筆をとって描いた自画像とされる肖像画など、太宰自身が描いた絵画も残されています。
本展では、これらの太宰の手になる絵画やデザインを展示し、美術との関連という視点で太宰治の生涯と文学を展望します。また、太宰が親密に交流した阿部合成や小館善四郎といった青森市出身の画家たちの作品や太宰との交友を伝える資料を展示し、太宰の芸術を育んだ「故郷」である、大正末から昭和戦前にかけての青森の芸術環境と文化ネットワークを紹介します。
また、関連する太宰の小説の直筆原稿、書簡、初版本、初出雑誌など貴重な文学資料に加え、太宰の生きた時代の津軽の写真や資料等を展示し、生誕100年を期に、あらためて太宰治の全貌を紹介します。
阿部合成 太宰治文学碑のための素描 1965年頃
小館善四郎 『おべんきょう』1945-46年 キャンバス・油彩
〒038-0021 青森市安田字近野185
TEL:017-783-3000 (代表)
http://www.aomori-museum.jp