国際芸術センター青森(ACAC)はこのたび、現代芸術の分野で活躍する遠藤利克氏を招聘し、期間中の滞在創作と展覧会を開催します。
タイトルにある「空洞」とは、遠藤利克が作品において繰り返し用いてきた概念でもあります。それは「虚」ではなく、無限性が充溢する豊穣なる空(くう)であり、時空を垂直に貫き、生と死、無と有、発生と消滅が同時に存在しうる包越的な場でもあるといえるでしょう。言い換えればそれは、始原的な思考の発生の場所であるのかもしれません。原初的な物質を扱い、精神と衝動の深淵と対峙する遠藤の作品は、いまだ至るところに縄文的土俗性の残滓を感じさせるこの青森で、「供犠」という視点で何を切り取るのでしょうか。その世界観を存分にお楽しみいただけるものと存じます。
作家紹介:
遠藤利克
1950年岐阜県高山市生まれ。
「ドクメンタ8」(87年)、「第44回ヴェネチア・ビエンナーレ」(88年)、「現代美術への視点―連続と侵犯」東京国立近代美術館(02年)、「遠藤利克展 Trieb?振動」入善町下山芸術の森発電所美術館(06年)ほか多数。
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