先進国のアメリカで、今もなお300年前の暮らしを守り、現代文明と距離を保ちながら暮らすアーミッシュ。
ヨーロッパで起こった宗教革命の中でも急進派であり、洗礼は成人して後、自ら選択して行うべきだと唱えた彼らは、アナバプテスト(再洗礼派)と呼ばれヨーロッパ中で厳しい弾圧を受けた。世俗社会からの分離と非暴力・絶対平和主義を主張する彼らが行き着いた先は、新天地アメリカだった。
アーミッシュのライフスタイルはすべて聖書に基づいた考えに沿って成り立っている。
電話や電気を家に引かず、ラジオやテレビもない生活。
車の代わりにバギーと呼ばれる馬車を移動手段にする。制服のように一様に揃った、簡素であるが整然とした服装からも一目でアーミッシュということが分かる。
アーミッシュのバーンレイジング(納屋づくり) 2007 画 松下麻里
郊外の農村地帯をバギーが走り、アーミッシュの子供達が裸足で走る姿は一幅の絵画を見るようで、観光客のスポットになっている所も多い。
しかし観光としてのアーミッシュではなく、近年彼らの存在を大きく世の中に知らしめたのは、2006年10月2日にニッケルマインズというペンシルヴァニアの小さな村にあるアーミッシュの学校で起こった銃撃事件によってである。
平和な村で突如起こった銃乱射事件により幼い少女達が犠牲になり、犯人はその場で自殺するという惨事はニュース面を飾るには充分であったが、さらに皆を驚かせたのは、アーミッシュが銃撃事件の後、すぐに犯人を赦し、犯人の家族に思いやり溢れる対応をとったことであった。
彼らは何故そのように犯人を赦し得たのか、彼らはどのような人間なのか。
どこから来て、どのように暮らしているのか。
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