日本の電子音楽分野の第一人者として、世界中から注目されている作曲家/アーティスト、池田亮司。 絶えず人間の感覚能力とテクノロジーの臨界点に挑むような、洗練された彼の作品やパフォーマンスの数々は、今や音楽だけでなく建築、映像、ダンスといった表現ジャンルを超えて、幅広く大きな影響を与えています。
私たちの知覚する世界を、サイン波やピクセルといった最小単位にまで突き詰められた「データ」として捉え直し、それらを再構成することで、全く別の世界体験を作り出すこと。 それ自体は不可視である「データ」を、音と光の関係性によって記述することに、池田はフィルムやビデオといった映像・音響作品を通して取り組んでいます。
data.film
©ryoji ikeda 2008
写真:福永一夫
写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]
[参考図版]
本展では池田亮司の本格的個展として、大規模かつ精緻に構成された映像インスタレーションを中心に、新たな知覚領域を探求する彼の作品を展示します。
池田の活動を大きく「光=視覚」と「音=聴覚」のふたつに分け、インスタレーション作品を主に展示します。 大規模な映像作品を中心としたブラックキューブの展示空間と、新作のサウンドインスタレーションが登場するホワイトキューブの展示空間を対比的に展開します。
spectra III
fluorescent lamps, glass panels
W1200 x D5000 x H3000mm
© ryoji ikeda 2008
Part of the exhibition V≠L
Commissioned and produced by Le Laboratoire
Photo: Marc Domage [参考図版]
知性と感性の挟間、新たな鑑賞体験へ
0と1の組み合せによって制御されるコンピュータのプログラムを介して、数学的な無秩序と秩序が隣り合わせになっている世界の姿が提示されます。
しかし、どれも難解な数式の知識や理解を必要とするものではなく、すべての作品が音と光という素材によって、身体的な体験として感じ取られる空間的な展示になります。
a prime number
Epson digital photo print, wood, steel
W1118 x D5100 x H450mm
© ryoji ikeda 2008
Part of the exhibition V≠L
Commissioned and produced by Le Laboratoire
Photo: Marc Domage [参考図版]
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